「介護施設を開業する際、どのような内装にすればいいのか」「内装工事にはどのくらいの費用がかかるのか」など、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
介護施設の内装では、見た目のデザインだけでなく、高齢者が安全に過ごせる動線やバリアフリー、スタッフが介助しやすい設備、建築基準法や消防への対応など、さまざまな点を考慮する必要があります。
この記事では、介護施設の内装で押さえておきたい工夫や必要な工事、内装に関する制限・注意点、工事費用や施工業者を選ぶ際のポイントについて分かりやすく解説します。
介護施設や老人ホーム、デイサービスの新規開業を検討している方や、既存施設のリフォーム・改装を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
■介護施設の内装工夫

介護施設の内装では、見た目の良さだけでなく、利用者が安全かつ快適に生活でき、スタッフも介助しやすい空間づくりが重要です。高齢者や車椅子を利用する方の移動を考慮しながら、動線、バリアフリー、デザインの3つの視点から計画する必要があります。
・安全な動線設計
介護施設では、利用者とスタッフが無理なく移動できる動線を確保することが大切です。
例えば、居室からトイレや浴室、食堂、リビングなどの共用スペースまでの移動距離が長かったり、家具や設備によって通路が狭くなったりすると、利用者の負担や転倒リスクにつながります。
また、スタッフが介助する場面も考慮し、車椅子で移動しやすいスペースや、複数人で介助できる余裕を確保することも必要です。開業前の設計段階から日常の生活や介護の流れをイメージし、レイアウトや設備の配置を検討しましょう。
・バリアフリー対策
高齢者が利用する介護施設では、段差を減らす、手すりを設置する、車椅子でも利用しやすいトイレや洗面台を用意するなど、バリアフリーへの配慮が欠かせません。
床材についても、デザイン性だけで選ぶのではなく、滑りにくさや歩きやすさ、メンテナンスのしやすさなどを考慮します。ドアや廊下、浴室なども含め、利用者の身体状況に合わせて安全性と使いやすさを確保することが重要です。
・内装デザインの工夫
介護施設の内装デザインでは、安全性や機能性を確保しながら、利用者がリラックスして過ごせる雰囲気づくりも大切です。
例えば、居室には住宅のような落ち着きを持たせ、食堂やリビングなどの共有スペースには自然な照明や家具を取り入れることで、施設らしさを抑えた空間をつくれます。
色や素材、照明の選定では、高齢者の見え方にも配慮しながら、快適性とデザイン性のバランスを考えることがポイントです。
■介護施設の内装工事

介護施設の内装工事では、利用者の安全性や快適性を確保しながら、スタッフが介護しやすい設備や空間を整える必要があります。床や壁だけでなく、水回りや防災設備まで含めて計画し、施設の種類や建物の状況に合わせて必要な施工内容を検討します。
・床壁天井の工事
床・壁・天井は、介護施設の安全性や日々のメンテナンスに大きく影響します。床材は高齢者が歩くことや車椅子での移動を考え、滑りにくさや清掃のしやすさを確認することが重要です。
壁についても、車椅子や家具が接触しやすい場所では耐久性のある素材を選ぶなど、実際の利用環境を考慮します。また、居室やリビングなどでは色や素材を工夫することで、住宅に近い落ち着いた雰囲気を演出できます。機能性とデザイン性の両立を意識して選定しましょう。
・水回りと設備工事
介護施設では、トイレや洗面台、浴室などの水回り設備も重要です。車椅子のまま利用できるスペースを確保したり、立ち座りを支える手すりを設置したりするなど、利用者の身体状況に配慮した設計が求められます。
特に既存の店舗や住宅などを介護施設へ改装する場合は、給排水設備の位置によってレイアウトや工事費用が大きく変わることがあります。物件を契約する前の段階から、希望する設備を設置できる建物か確認しておくことが大切です。
・防災設備の工事
介護施設では、火災などの緊急時に利用者が安全に避難できる環境づくりも欠かせません。そのため、施設の種類や規模、建物の構造などに応じて、火災報知設備や誘導灯、消火設備などの設置が必要になる場合があります。
必要な防災設備はすべての介護施設で同じではありません。内装のレイアウトを決めた後に追加工事が発生すると、費用や開業スケジュールに影響する可能性があります。設計段階から建築や消防に関する基準を確認し、内装工事とあわせて計画することが重要です。
■内装の制限と注意点

介護施設の内装は、使いやすさやデザインだけで自由に決められるわけではありません。建物の用途や施設の種類によって確認すべき基準が異なるため、物件選びや設計の早い段階から、建築と消防の両面を確認しておくことが重要です。
・建築基準法の確認
介護施設を開業する際は、建築基準法に沿って安全性を確保する必要があります。既存の住宅や店舗、オフィスなどを介護施設へ改装する場合は、建物の使い方が変わることで用途変更の手続きが必要になるケースがあります。
また、廊下や出入口の幅、避難経路、階段、採光や換気など、建物や施設の条件によって確認する項目も変わります。
内装工事を進めてから基準を満たしていないことが分かると、追加の改修工事や設計変更が必要になり、工事費用や開業までのスケジュールに影響する可能性があります。物件を契約する前に、介護施設として活用できる建物か専門家へ確認しておくと安心です。
・用途区分と消防基準
介護施設といっても、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスなど種類によって建物の使われ方は異なります。そのため、必要な設備や消防への対応も一律ではありません。
例えば、施設の規模や利用者の状況、建物の構造などによって、火災報知設備や誘導灯、消火設備などの設置が必要になる場合があります。既存物件をリフォームする際は、現在設置されている設備をそのまま活用できるとは限りません。
内装のレイアウトを決める前に、用途区分や消防上の基準を確認し、必要な設備工事まで含めて計画することが大切です。建築設計と消防設備を別々に考えず、施設全体の安全性を考慮して進めましょう。
■内装工事の費用と依頼

介護施設の内装工事にかかる費用は、施設の種類や広さ、既存設備を活用できるかによって大きく変わります。開業後に追加工事が発生しないよう、内装だけでなく設備や法令対応まで含めて予算を組み、依頼先を選ぶことが重要です。
・デイサービス内装費
デイサービスの内装費用は、物件の状態や必要な設備によって差があります。特に、トイレや洗面台、浴室などの水回りを新設する場合や、車椅子に対応したバリアフリー工事が必要な場合は、工事費用が増えやすくなります。
また、食堂や機能訓練室、相談室など、サービス提供に必要なスペースを確保するために間仕切り工事が必要になることもあります。単純な内装の見た目だけで費用を考えず、設備工事や消防設備まで含めた全体の費用を把握することが大切です。
・坪単価と費用の目安
介護施設の内装工事では、坪単価だけで正確な費用を判断することは難しいです。同じ面積でも、スケルトン物件から施工する場合と、既存のトイレや空調、給排水設備を活用できる物件では必要な工事が異なるためです。
そのため、物件選びの段階では家賃だけで判断せず、改装に必要な費用まで含めて比較することが重要です。現地調査を行い、内装、設備、防災、バリアフリーなど必要な工事項目を整理したうえで、概算費用を確認すると予算を立てやすくなります。
・補助金と業者選び
介護施設の建設や改修では、施設の種類や地域、事業内容によって補助制度を利用できる場合があります。ただし、対象となる工事や条件は制度ごとに異なるため、補助金を前提に工事計画を進めるのではなく、利用できる制度があるか事前に確認しましょう。
施工業者を選ぶ際は、価格だけでなく、介護施設や老人ホームの施工実績、建築基準法や消防への対応、用途変更の相談ができるかも確認することが大切です。
設計から申請、内装工事まで一貫して対応できる業者であれば、複数の会社との調整を減らし、開業までの計画を進めやすくなります。
■まとめ
介護施設の内装では、見た目のデザインだけでなく、利用者が安全で快適に過ごせる動線やバリアフリー、スタッフが介助しやすい設備配置まで考えることが大切です。
また、トイレや浴室などの水回り、防災設備、建築基準法や消防に関する条件など、一般的な店舗や住宅の内装とは異なる確認事項もあります。
特に既存の建物を介護施設へ改装する場合は、物件によって必要な工事や費用が大きく変わるため、契約や施工を進める前に建物の状況を確認し、設計・設備・法令対応まで含めて計画することが重要です。
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既存建物を活用する場合も、建物の状況や法令上の条件を確認したうえで、必要な改修内容をご提案します。介護施設の新規開業はもちろん、既存施設の改装や事業拡大に伴う新たな施設づくりをご検討中の方も、まずはCABONへお気軽にお問い合わせください。
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